けん引一種 siofuneさん 東京府中 2004年8月取得 練習0時間 試験1回
牽引1種午後の試験をうけるため、12時少し過ぎに東京都府中運転試験場に到着しました。駐車場に止め
た車の中で弁当を食べ、しばし休憩の後、試験会場へ向かいます。いつもの通り説明を30分ほど聞き、い
よいよ試験開始です。私の順番は1番でした。昨夜悪友に誘われ「すぐ帰る。1杯だけ!」ということで飲みに
行ったのが、今になり悔やまれます。1杯で納まる訳がありません。夜更かしのせいで今ひとつ体調が思わ
しくありませんでした。
トラクタのキャビンは、大型1種試験の時に乗ったトラックとほぼ同じ感じでした。ただエアブレーキの利きが
がさらに強力です。慣らし運転中に左折を一回します。左折は後輪が縁石から離れないよう小回りをしなくて
はなりませんが、今一つ感覚がつかめません。でも、反対に大型トラックとそれほど差が無いような気もしま
す。今日初めて本物の牽引車に乗りましたが、トレーラが後についてくる独特の感じがとても新鮮でした。
さて、一旦停止でその後、採点開始です。5点確認をした後車を発進させると、直ぐに右折を指示されまし
た。府中試験場ではコース内を歩くことはできないのですが、試験の際には試験官がタイミング良くコースを
指示してくれます。ですからコースを覚える必要が無いともいえます。(しかし覚えておいた方が断然有利で
す)
ミラーで後方、右側を確認、ウインカーを出し、3点確認をして3秒後に中央線から50cm以内に寄ります。
交差点の中央付近を通り右折しますが、曲がった先の中央線を踏まないように注意しなくてはいけません。
右折に関しての問題は、あまりなさそうです。その後、内周を少し走り、外周に出て課題の50Km/Hです。の
んびりしていると規定の速度に到達できませんので、コーナーの後半あたりから加速します。
コーナーを回り直線に入ったところで「はて?あれは何でしょう?」コースの左側路肩にパイロン(ラバコーン)
が置いてあります。障害物にしては中途半端なところにあります。「以前試験を受けた時には置いてあったか
な?」などと完全に気をとられてしまいました。ふと我にもどって「トレーラが車線内におさまっているかミラー
で確認しなくては」などと、あたふたしているうちに前方のカーブがみるみる近付いてきます。ポンピングブ
レーキ、シフトダウン、スピードを落としカーブを通過しましたが、結局スピードメーターを見忘れてしまいまし
た。しまった、完全に課題を忘れてしまっています。これはダメか?
さて続いて本日最大の山場、方向変換です。左バックの方向変換でした。左の縁石から約50cmの間隔で
車体を進め車体の最後部を車庫から1mの所で停車します。サイドミラー越しなのでどうも距離が良くわかり
ません。緊張の一瞬です。一回深呼吸をしました。5点確認をしてからゆっくりバックしたのですが、どうも停
車位置が前過ぎたようです、このままでは車庫に入る前に左後輪が縁石にぶつかってしまいます。一回目の
切り返しをしました。切り返し後のバックは必ず確認をしてから行います。斜めに停めて再度トライ。でも前回
と状況が同じです。気を取り直して二回目の切り返し。今度は良い角度で入って行くようです。トラクタとト
レーラの角度が時計の針で言う8時をキープするよう、ハンドルを微調整しながら押し込みます。ここで問題
が発生。右前輪が縁石に接触しそうです。
そう、はっきり言って道幅はすごく狭いです。そろそろ伸ばしにかからないと間に合わないようですが、しかた
がありません。そのまま接触しないよう少しバックしました。ようやく右前輪をクリアして、左フルロックで伸ば
しにかかりますが、残念ながらやはり少し遅かったです。車体は角度を付けて車庫の左側に向かって行きま
す。
ダメだとは思いましたが車体がまっすぐになった所で停車して試験官に報告をしました。「まっすぐになりまし
た」。すると間髪を入れず「もっと奥までいれましょう」とのことでした。試験前の説明では「何処何処までトラク
タを車庫に入れなさい」とは言われなかったのですが、これでは明らかに手前すぎなのでしょう。
今日の試験官は言葉使いが丁寧でとても好感の持てる人でした。しかし、それとは関係なく状況はきびしい
です。もっと奥までと言われても左後輪がいまにも縁石にぶつかりそうです。トレーラの角度を戻す余裕も当
然ありません。しかたなくまっすぐ後退をしますが、せいぜい50cmかそこら、1mまでは後ろにさがれなかっ
たと思います。これ以上下がると接輪してしまいます。もう一度だけ切り返しのチャンスはありますが、全く成
功する気がしません。だめだろうなとは思いましたが、かすかな期待を胸に再び報告してみました。すると試
験官はちょっと後ろを見て、「右へ出てまっすぐ」と指示をくれました。「やった、始めての試験で方向変換通
過だ!!」後から考えてみると、かなり斜めに入っていたと思います。
続いてS字、ここも気を抜く事ができません。ここはまっすぐ行くとクランク、左に直角に曲がるとS字という幅
の狭い通路でしたので、「ここはすでに狭路の一部」と勝手に解釈して右側縁石ぎりぎりに寄せてから左折進
入しました。試験後に左折時の大回りを指摘されたので、この場所のことがあったかもしれません。S字最初
の右カーブはアンダーミラーを使用してヘッドの左前角を縁石に沿わせる要領で曲がると、右後輪に20cm程
の余裕ができました。「よしよし、でかした!」などと安心していたら後半の左カーブで左後輪がどうも危ない
ようです。安心などしていないで、すぐ右に寄せなくてはいけませんでした。しかたなく切り返しをすることにし
ましたが。狭い路での牽引車のバックです、これ以上はない不安が襲ってきました。5点確認をして、運だけ
をたよりにゆっくり後退すると、なんとか望みがかなったようです。それから前進して右一杯に寄せ、ぎりぎり
左後輪を通すことができました。でも、一瞬ですが右前輪が少し縁石に接触していたかもしれません。
その後、左折を3回して踏切へ向いました。まだ、点数は残っているようです。左右を確認、窓を空けて音を
確認し、ギアを変速しないように進みます。ここの踏み切りは少し傾斜しています。パーキングブレーキが慣
れないエア式だったので使うのをやめ、私はこの車の低速トルクに賭けることにしました。
2速半クラッチ。車がかすかに動いた瞬間、右足のフットブレーキを離してアクセルを少しふかします。そして
同時にクラッチをゆっくり全部つなぎます。力のない乗用車のエンジンではエンストをしてしまう所ですが、こ
のトラクタのエンジンは私の期待にみごと応えてくれました。その後発着場まで慎重に運転し、初めての試験
で完走することができました。駐車措置をして試験官の所へ回ると、「ぎりぎりで合格です」とのうれしいお言
葉でした。
「合格」の2文字が頭の中でぐるぐる廻っています。にやにやしながらプラットホームの階段を登ると、受験を
控えてる女の人に、待ってましたと何点か質問されました。しかし、初めての牽引試験で無我夢中だったの
で細かい事は良く思い出す事ができません。的確な返答はなかなか出来ませんでした。結局、この日の牽引
午後の受験者8名の内、合格は私だけでした。
私は、少しだけ大型貨物車の運転経験がありますが、今回実車での練習無しで試験に合格できたのは、こ
ちらのサイトがあったおかげです。これだけ内容が充実しているサイトは他にないと思います。府中試験場で
は、平針試験場のような教習システムがありません。我々が時間教習をしてもらうためには民間の教習所に
いかなければなりません。入学金も高く、少し教えてもらうだけも良い値段になってしまいます。
牽引に関しては「模型を作ってイメージトレーニング」「実車シュミレタを使いイメージトレーニング」、「読めば
半分くらいわかる方向転換の入れ方」の記事がこの上なく参考になりました。模型や実車シュミレターを作り
(自転車のタイヤがなかったので、建築現場で使用する一輪車{通称ネコ}のタイヤで作りました)実際に操作
して、牽引車特有の後退時の感覚を養うことができました。
さらに牽引だけではなく大型2種試験もこちらのサイトを参考にさせてもらい、練習無しで数回の受験で合格
することができました。管理人さんには心より感謝いたします。ありがとうございました。ここに書かれている
ことは、全ての試験場で応用が利くと思います。全国の皆さんの為に、このサイトのますますの御発展をお
祈り申し上げます。