2003.07.03作成
トレーラーで真っ直ぐバックする事は結構難しい
前進する時は素直についてくる台車も、後退となると途端に言う事をきかなくなる物です。たとえ真っ直ぐに伸びた状態でハンドルを真っ直ぐにしていても、道路のキャンバーとかバランスか何かの関係で後退して行くと、途端に折れてしまいます。
ハンドルを真っ直ぐ向けていてもそのうち90度くらいに折れ、もっと下がると遂にはジャックナイフのように畳めてしまいます。
それではハンドルが真っ直ぐなのに何故そこまで折れてしまうのかを考えて見ましょう。
なぜならば台車を押す時カプラー(接合部)に負荷がかかっていて、遠くの重い台車の車輪を押すよりも、カプラー自体が横に逃げる(折れる)方が楽だからです。
だから一旦どちらかに折れると、ハンドルは真っ直ぐでもカプラーが楽をしたがるため、どんどん折れていってしまうわけです。
最初に折ってあればハンドルは中立でもどんどん折れてゆく
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折れていない状態でハンドル中立で押すとまっすぐ下がる | 少しでもどちらかに折れていればカプラーは横に逃げたがる。この状態で後退すると3軸目はどんどん右に押されて行く。 | いったん折れだすと後退する力はほとんどカプラーがずれる方に行ってしまう。このくらい折れると3軸目はほとんど動かない |
それではどうしたら折れを止める事が出来るか
折れてばかりいてもバックして目標地点におさめる事は出来ません。折れを止めたり、逆に伸ばしてやるのもハンドル操作にかかってきます。
それではどっちに切れば折れがのびてくれるでしょうか。とっさにはなかなか分からないと思います。結論として普通の車の逆を切る訳ですが。今一つしっくり来ないでしょう。
ここでイメージしてみましょう、動きたくないぞと言って頑張っている台車の車輪があります。そこへあなたがトラクターでバックで押します。トラクターと台車が真っ直ぐならばいやいやでも台車は転がります。しかし少しでも折れていたらカプラーは重い台車を押すのがいやなのでもっと折れて横に逃げようとします。そこであなたはカプラーが横に逃げないようにとハンドルを切りカプラーの逃げようとする方にトラクターを先回りさせ、逃げられなくし、それ以上折れなくすることが出来ます。(ようするに折れようとする力に対向するために回転モーメントを与えてやる)
折れた方向と同じ向きにハンドルを切るとどこかで角度固定でバランスが取れるところがある
そのままハンドルを切りつづけると反対に折れる
そのまま押しつづけていると今度はトラクターと台車がまた一直線になり、今度は反対側に折れていってまた畳めてしまいます。
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ハンドルを折れた方向に切るとカプラーにモーメントが働きバランスが取れる場所がある | もっとハンドルを切るとトラクターと台車が真っ直ぐになる | そのままでいると左に折れてしまう
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要するに台車の車輪はともかく、今のカプラーの位置を軸としてトラクターの向きををどっちに持って行こうとするかを考えるわけです。
トレーラーのバックは通常のハンドル操作の逆を切る
折れ角とハンドルの切り角のバランス取れている時、トレーラー全体は半径は違うが一つの点を軸にして回転する。